Happy Birthday Dear... [Gintoki Ver.]



「誕生日、何が食べたい?」

 ―――夜景の綺麗な高級レストランで豪華ディナー。

「・・・じゃあ、プレゼント何ほしい?」

 ―――高級ブランドのダイヤのアクセサリー。

「そうか。・・・って、おいっ!おまえはどこぞのセレブ気取りですか、コノヤロー。
 銀さん家賃も払えないぐらい貧乏なの知ってるでしょーが。
 誕生日だからってなんでももらえると思うなよ!」

 ―――だって、何食べたい、何欲しいって聞くから。


本当は高級ディナーにもブランドのアクセサリーにも興味なんかない。
銀さんがそばにいてくれればいいの。
それだけで最高の誕生日になるのに。

だけど、それじゃああたしばっかり銀さんを好きみたいで悔しいじゃない。
だから、そんなこと言ってやんない。


「よーし、分かった。」

ぶーぶーと言い訳を述べていた銀さんの目がきらんと輝いた。

「そこまで言うなら、銀さんが五ツ星レストランもビックリな愛情たっぷりの手料理を振舞ってあげよう。
 銀さんってばこう見えて料理の腕前、達人並だからね。」

「・・・プレゼントは?」

「ダイヤモンドなんかより丈夫な銀さんがずっとそばにいてやるよ。
 アクセサリーみたいに外したいと思ったって、絶対離れてやんない。」

こんな風にな。って言って、銀さんは腕の中にぎゅっとあたしを閉じ込めた。

ふわりと銀さんの匂いに包まれる。
あぁ、やっぱりこの人には敵わない。
いとも簡単に、あたしの本当に欲しいものをくれる。

「・・・返せって言われても、絶対返してあげないから。」

「返せなんて言わねーよ。」

あたしの精一杯の抵抗も、やさしくてちょっといじわるな笑顔で軽々と返される。
反則だ、そんなの。
どんな高価なものをもらうよりもうれしくて仕方ないじゃない。


「おっ、ほら時計見てみ?もうすぐ日付が変わる。」

指差された時計に目を移すと、時計の針がちょうど0時に変わる瞬間。
銀さんの低くて甘い声が耳元で囁いた。


 ―――誕生日おめでとう。


Fin...

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2008.02.23〜